フランス・パリにあるクレミュー通り。
色彩豊かでカラフルな家が立ち並ぶこの通りは見栄えが良く、たくさんの観光客が写真や動画を撮りに来ています。
昨今、インスタグラムを始めとする各SNSでの需要も高まり、このようなインスタ映えスポットでの迷惑行為が後を絶ちません。
インスタ映えで多発する迷惑行為

若い女性を中心に世界中で大流行しているインスタグラム。「いいね!」の数を競うかのように、今この瞬間も絶えず写真や動画がアップし続けられています。
色彩・光量・背景・画質・遠近・明暗など、さまざまな加工技術やテクニックを駆使し撮られるこれらの画像は、アーティスティックな側面をもち合わせ、賞賛を受けるに値するというのも一理あるでしょう。
しかし、そこには写真に写る被写体側の権利もあるというのを忘れてはいけません。
クレミュー通り

画像出典:https://www.obonparis.com/ja/magazine/photogenic-spots-best-5 より引用
上の画像はフランス・パリにある「クレミュー通り」です。パステルカラーの美しい家が立ち並んでいますね。
これを見ただけでもおわかりになられると思いますが、何も加工せずとも絵になるほどの綺麗な風景です。

この場所で写真を撮りたいの!
そんな今をときめくキラキラ女子さん達の意見はごもっとも。この場所で素敵な1枚が撮れたなら「いいね!」ゲットは間違いなしですからね。
では、実際にこの場所でどんな写真が撮られているのでしょうか?ちょっとインスタのハッシュタグで検索してみましょう。

うーむ・・・なかなかのはっちゃけ具合ですね。どうやら今日も世界は平和なようで・・・。よかったよかった(^ω^)って全然よくねーよ!
お嬢さん、これ人ん家の前ですぜ。
客観的な立場で考える
例えば、あなたが帰省した際に、実家に向かってハートジャンプアタックされてたらどう思いますか?もしくは家のドアホンにサマーソルトキックされてたりしたらどう思います?

大丈夫よ!気にしないわ!
といった、心優しい方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。ですが、世の中の全員がそんな「物分かりが異様に良くて至れり尽くせりマン」なわけありません。
そこは「嫌で嫌で仕方ない人」もいると考えてしかるべきです。
人間というのは主観で生きる動物。ゆえに意識しないと客観的な視点がもてない。えらそうなことを言っておいて恐縮なんですが、私自身もめちゃくちゃ自己中です。この事は以下の記事に詳しく記載しています。
しかし、相手の立場に立ってよくよく考えてみると、自分が同じことをされていたならどんなに迷惑だったかを知ることができます。そこで初めて反省に至るのです。
ここは断言させて頂きますが、この世の全てのトラブルは十中八九、相手への思いやりの無さ(客観的な思考の欠如)が原因だと思っています。
大体のトラブルの元は、ほんの少しの思いやりがあれば回避できるような小さな火種。だからこの客観的な思考を行うようにすれば、あなたの人生はノントラブル・ノンストレス。
相手も自分も、ハッピーになること間違いなしですよ!
承認欲求を満たす為に暴走する感情

さて、ようやくこの記事で私が本当にお伝えしたかったことを書く時間がきました。
これは主に、SNSに張り切っている若い女性たちに向けてのお話です。耳の穴かっぽじってよく聞いてくださいね。
今をときめくキラキラ女性達がもっている物の中のひとつに「美しさ」があります。要するに「容姿」です。
おそらく、あなたが写真をアップする理由のひとつに、

メイクばっちり!かわいい私を見てね!
といったものがあるでしょう。これがいわゆる承認欲求です。
しかし、あなたのその美しさ、永遠にあるものでしょうか?何十年たってもずっと残り続けるものですか?写真の中の美しいあなたと現実のあなたが、全くの別人になる日は訪れませんか?
今、時間もお金も投資している美しさが「いずれ無くなるもの」だとしたら、どこかで方向転換する必要があります。
ほんの少しでいいので「年をとっても無くならないもの」に時間とお金を投資しましょう。私のこの言葉がまだ若いあなたには届かないかもしれません。しかし、必ずこの資産があなたを救ってくれる日が来るはずです。
「何を偉そうに!」と思われるかもしれませんが、決して説教をしているわけではありません。
容姿が無くなるのは男もまた同じ。あなたより少し長生きしている人間からの、人生をより良くするためのアドバイスだと思って頂きたい。
自己承認欲求
私達が住んでいるこの日本は、すさまじく豊かな国であると言えます。
この国に住んでいる限り、飢え死にすることはないと言い切れるほど、制度や環境が整っている素晴らしい国です。
人の欲求には段階があり、それぞれカテゴリーでわけられています。これは「マズローの欲求五段階説」と言われているものです。
【自己実現理論】
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。自己実現論、(マズローの)欲求段階説、欲求5段階説、など、別の異なる呼称がある。
出典:Wikipedia
生きていくための食料や住まいを求める原始的な欲求は、日本を含む先進国内ではなかなか起こり得ません。すでに満たされている場合がほとんどだからです。ゆえに日本の多くの人は次の段階の欲求を求めます。
他者から自分を認めてもらいたいという欲求。すなわち、自己承認欲求です。
この欲求は共感性が高い女性の方が大きくなる傾向にあります。インターネットがもたらしたSNSの普及(拡散力の増大)により、おそらく昔の時代よりも抜群に大きくなっているでしょう。
この承認欲求が暴走するあまり、迷惑行為にまでエスカレートしていくのです。
他者依存への恐ろしさ
あなたが行動を起こす際、それが「自分の意思」だったとしたら何も言うことはありません。しかし、その行動理由が「他者からの賞賛のため」ならば危険信号です。
・かわいいアイスを注文する→写真に撮るため(他者からの賞賛)→アイスが廃棄される
・かわいいアイスを注文する→アイス食いてぇ(自分の意思)→アイスうめぇ
このように知らず知らずのうちに、自分の意思ではなく相手へのために行動しているのです。
「SNS疲れ」なんて言葉がありますが、そりゃ疲れて当たり前でしょう。だって、自分の意思と反して行動しているんですから。まるで他人に操作されている人形です。
最大級の「いいね!」

他人に振り回されないように、そろそろ自分主体で人生を歩み始めてみたらどうでしょう。
教えてください。あなたが今、本当にやりたい事はなんですか?
写真映えを気にしたり、評判を気にしたりするのがあなたの本当にやりたい事ですか?他人からの羨望で自分の小さな自尊心を満たすのがあなたの本当にやりたい事ですか?
私が思うに、本当に人から評価されて求められるものというのは、きっと情熱が詰まっているものです。そしてこの情熱は他人から与えられるものではありません。
自分が本当に好きなものにしか、情熱は注ぎ込めないのです。
他人からの共感を得る為だけに自分の大切な時間を使うのはもうやめましょう。本当に大切なのは他人からの「いいね!」ではなく、あなたからあなた自身に向けての「いいね!」です。
例え不恰好でみずぼらしい姿だったとしても、あなたが写ってさえいればそれは立派な作品。
自分の足で人生を歩むあなたにこそ、ボタンが壊れるほどの最大級の「いいね!」を送りたい。
自分で自分の事をどう思うか。それは他人からどう思われるかよりも、はるかに重要である。
出典:ルキウス・アンナエウス・セネカ
コメント