どうも、妖狐(@yo_ko)です。
人からの視線を浴びたり注目を集めたりする場面というのはたくさん存在します。
・大勢の観客を前にする演劇
・プレゼンやセミナーなど、人前でのスピーチ。
・面接や商談など、形式張った会議の場
このような場面で、赤面する・鼓動が早くなる・冷や汗が出るといった症状があるのなら、それは「あがり症」なのかも知れませんよ?
人が緊張する原因って何?

皆さんは大切な場面での失敗やミスをした経験がありますか?
私は以前、歯の治療中に下痢になって悶絶した事がありましてね。先生が絶好調でキュインキュイン削ってるもんだから中々言い出せず、本当に漏らすかと思いました。
一度こういう経験をすると、その事がトラウマとなり永遠に心の中に残り続けます。同じ事がまた起こるんじゃないかとヒヤヒヤするわけです。
また、失敗の経験が無かったとしても、

明日上手くいくかな・・・失敗したらどうしよう
このような負の感情が精神を不安定にします。
「頭の中が真っ白になる」という表現があるように、不安定な精神状態からは通常の思考ができません。これがいわゆる緊張です。
緊張を引き起こす要因
人が注目するような大場面に立たされた時、心臓が飛び出るほど緊張する人もいれば、ケロッとして全然平気な人もいます。
まったくもって不思議ですね。なぜこのような違いが生まれるのでしょう?
そこで緊張のメカニズムを調べ上げ、要因となるものをまとめた所、大きく分けて次の2つになる事がわかりました。
1. 生まれ育った環境
2. 遺伝子
順に説明していきます。
生まれ育った環境

生まれ育った環境はその人の心理に大きな影響を与えます。
例えば、ものすごく厳しい教育をする家庭に育ったお子さんなら、失敗する事への抵抗は人並みはずれたものになるでしょう。「失敗=恥」という価値観を与えられるからです。
親の過度な期待はお子さんにとってはたまったもんじゃありません。なぜなら、自分ではなく親という他人軸の評価を気にしなければならないからです。
このような自分の外側に向ける心理を公的自己意識と言います。公的自己意識が強ければ強いほど人の評価・人の視線が気になってしまい不安や緊張が起こるのです。
反対にものすごく寛容的な雰囲気の家庭に育ったお子さんなら、失敗する事への抵抗は人よりも少ないと言えるでしょう。親は関係なく、自分が主体となるからです。
失敗を許容する風土は挑戦を後押しする事に繋がります。すると大舞台で活躍する機会が増え、場馴れの数も合間ってますます成功しやすくなるわけです。
このように自分の内面に向ける心理を私的自己意識と言います。私的自己意識が強ければ強いほど物事は自分主体になります。悪く言えば自己中とも捉えられますね。
遺伝子

実は遺伝子によっても心理に影響が出る事がわかっています。残念な事に、我々日本人は緊張しやすいタイプの遺伝子をもっているそうですよ。
1996年11月、ヴェルツバーグ大学精神医学部のピーター・レッツ博士が、「S遺伝子がセロトニンの分泌に影響を及ぼしている」という事を発表しました。
人間にはセロトニントランスポーター遺伝子という、染色体の17番目に当たる遺伝子が存在します。この遺伝子にはS型とL型の2種類があり、その組み合わせによって感受性の度合いが決まるのです。
型 | 状態 |
SS型 | 緊張しやすい |
SL型 | どちらでもない |
LL型 | 緊張しにくい |
2004年の調査データでは日本人にはSS・SL型の遺伝子を持つ人が圧倒的に多い事が判明しています。何と、統計では80%がSS・SL型なんだそうで。
・・・そらコミュ障も増えるわな(;^ω^)
逆に、アメリカ人は80%がLL型という驚異のデータも存在します。スティーブ・ジョブズの伝説のスピーチを、見れば見るほどそれ納得。
あがり症の4つの対策

一般的に「あがり症」と呼ばれる方は、上記の環境の要因と遺伝子の要因が、悪い意味で相乗作用したものと言えますね。
声が裏返ったり足が震えたりしてしまうと、余計に緊張します。この悪循環が繰り返され、緊張がより強固なものになるのです。
誤解しないでもらいたいのですが、「あがる」という症状自体は多少なりともどんな人にだってありますよ。だって人間だもの。み○を
ただ、極度に緊張しやすい土壌を持った人には、その重圧が何十倍にも膨れ上がるのです。だから「何で緊張してるの?」なんてKY発言は禁句。当人にとっては死活問題ですから。
私もあがり症ですので、克服できる方法を調べてはいますが、やはり場馴れが必須です。結局は失敗を繰り返しながらも成功をする体験を得て、自分に自信をつける事が必要になってきます。
理論としてはAIを想像してもらえたらわかりやすいのですが、彼らはロボットなんで恥という概念がありません。24時間365日失敗&修正を繰り返し、どんどん成長していきます。
その成長スピードは常識の範疇を超え人間が絶対に追いつけない速さです。しかし逆に考えると、人間よりもはるかに優秀なAIでさえ、失敗抜きには成功し得ないという事。
だから「恥をかきたくない!」と言っている時点で、「成功したくない!」と言ってるようなもんなんですよ。
とまぁ、ここまでは半ば根性論のようなもの。あまり実用的ではありません。そこで具体的に克服できそうな方法をご紹介する事にしましょう。
1. 自己中になる

先ほど紹介した自己意識を変える方法です。
人の目を気にする人は、言い方を変えれば空気を読める人になります。だったら本能丸出しにして無理やり自己中になればいい。
おそらくですが、温厚で真面目な性格であろうあなたは、仕事中に上司や先輩に向かって次のセリフを言えないと思います。

めんどくさいから帰るわ。あとは一人でやっとけ

・・・・・・
ですが、これくらいぶっ飛んだ事をやるとマジで景色が変わりますよ。ビックリするぐらい心にも変化が出ます。相手にどう思われてもいい。そんな感情を持ちましょう。
まぁこれは過激すぎるので、もっと小さい所から始めてみるのも一つの手です。飲み会をきっぱり断るとかね。
2. プライドを捨てる

あえて自分の弱みを見せていく方法です。
例えば、声が裏返ったりすると、会場がどよめいて笑いが起きたりしますよね?そこで自分も笑っちゃいましょう。爆笑してみて下さい。するとあら不思議。一気にハードルが下がります。
緊張やあがり症というのは、あなたが思っている以上に他人に伝わっていません。どこまでいっても所詮、自己評価。だから他人とあなたで受け取り方がまったく変わってきます。
饒舌で何の落ち度もないスピーチをした人が実は心臓バクバクだったり、全く喋らなかった人が実は全然緊張してなかったというのは良くある話。
「失敗したくない」というプライドは、この自己評価にマイナスの影響を与えてしまいます。だったら、そんなものは必要ありませんね。
漫才をする気でステージに上がりましょう。あるいは、スピーチをする前に「ガチガチに緊張してます!」と宣言するのも一つの手です。
3. イメージトレーニング

緊張しない為には場馴れが必須と述べましたが、この場馴れを無理やりつくり出す方法です。
多くの場合、あがり症の方は公に目立つ場面を避ける特徴があります。これでは永遠に場馴れできません。
場馴れが出来ない→余計に緊張する→避けてしまう、このような負のループが続くだけです。
しかし、実際にやるのが難しくとも脳内でなら別ですよね?だって何百回とトライできますから。実はこのイメージトレーニングでも場馴れの効果が得られるのですよ。
実際の場面をリアルに想像する事で心拍数は上がります。冷や汗だって出てきます。現実とまったく同じ状況を頭の中に作り出せたなら、あとはひたすら練習あるのみです。
4. 全ての動作をゆっくりに

心と体は連動しており、精神の緊張は筋肉の緊張に繋がります。
「恥ずかしい」という感情があると、早く終わりたいと思ってどうしても早口になっちゃいますよね。しかし、早く話せば話すほど、頭は緊急事態だと認識し混乱していきます。
その混乱は確実に体に伝わり、足の震え・こわばり・声が震えるなどの原因になるのです。
では、この「恥ずかしい」という感情を何とかこらえて、ゆっくり話してみましょう。ゆっくり話すと次の2つの効果が得られます。
1. 心と体にゆとりが持てる
2. 本来の内容にフォーカスできる
落ち着いて話す事で、頭の中が「恥ずかしい」から「話す内容」に変わっていくのです。ちょっと想像してもらいたいのですが、聞き取れないほどの早口で話が上手い人って存在します?しませんよね?
話が上手い人は緩急があり表現が豊かです。これは話す内容にとことん入り込んでいる証拠。おしゃべり好きな人ほど持っているこの特徴を真似しちゃいましょう。
おわりに
人生というのは不思議なもので、どんな人にも大舞台が訪れます。仕事でのプレゼン・結婚式でのスピーチ・あるいは近しい人が亡くなった時の弔いの句など。
人間の体は他の動物と作りが違い、口と鼻の軌道が同じになっています。喉に物をつまらせると窒息死する危険と引き換えに、人は言語という複雑な音を得たのです。
だから、神様からもらったこの贈り物を、どうかあなたに使って頂きたい。私は今、堂々とステージの上に立つあなたの姿が見たい。
失敗とは、より賢く再挑戦するためのよい機会である。まじめな失敗はなんら恥ではない。失敗を恐れる心の中にこそ、恥辱は住む。
出典:ヘンリー・フォード
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